【ドライビングポジション】の調整で車の運転が上手くなる方法

クルマ アイキャッチ画像運転

クルマの部品の中で、タイヤ・ブレーキに次いで重要と考えるのが「シート」です。それは走る・曲がる・止まるといった基本の操縦やインフォメーションとドライバーの身体を繋げているからです。

サーキット走行などのスポーツ走行が好きな方は、クルマのグリップレベルは「腰」で、横Gやヨー慣性は「肩」で感じ、背中は浮かせずに顎を引き遠くに目線を置く・・・といったような安全に速くクルマを走らせる為に「ドライビングポジション」を見極めていると思います。

この安全に速くクルマを走らせるというのは、的確な早い状況判断や運転操作の正確性が要になり、無暗に自身の限界を高めるのではなく、普段の安全運転で発揮される能力の一部と考えます。その判断や操作を行う(能力を高める)うえで大事なことが、「シート」と「ドライビングポジション」。

いままでそれなりにいろいろな種類の車を運転しましたが、仕事で使用する社用車やレンタカーや自動車ディーラーの代車、知り合いの車を運転するとき、よく気になったのが「シート位置が遠い!」ことでした。身長は180㎝以上ありますが、そんな自分でもステアリング位置が遠いなんて・・・。

そのまま体格に合わせたシート位置で運転操作をしていないと、とっさの時の危険回避や長距離ドライブでの疲労軽減が見込めず、悪い場合には腰痛の悪化やぎっくり腰を招いてしまうかもしれません!

ほとんどの方は初めて乗る車両の場合、シート調整してから発進しますよね?その時に正しいドライビングポジションを見つけるポイントをまとめましたので、解説していきます。

1,推奨されているドライビングポジション

オススメ情報

・トヨタ GAZOO

・チューリッヒ 「竹岡圭のやさしいドライビング入門」

・Youtube 「TERRA Ch.」(ルマン24時間レースに参戦されていたミスタールマンこと株式会社オートエクゼ代表の寺田陽次郎氏のチャンネルです)01:48~解説あり

微妙に表現が異なっていますが、基本的には同じ概念になっていますね。個人的に竹岡圭さん、寺田陽次郎さんの解説はとっても解りやすいと感じています。

2,推奨されているドライビングポジションへの調整方法

  1. シートの高さを調整(リフター機構があれば)
  2. シートに深く座る
  3. シートの前後位置を調整
  4. シートのもたれ角度を調整
  5. ステアリングの調整(上下の角度・前後のスライド機構があれば)
  6. ヘッドレストの高さを調整
  7. シートベルトの位置調整(調整機構があれば)
  8. ルーム/ドア ミラーの調整

赤いマーカー部は特に重要な項目になります。そして、車に乗り込んでから確認する順番はおよそこの並びの方がいいでしょう。経験上、シート高さの調整を途中で行うとほぼ他がズレてきますし、ミラーの調整は一番最後でなければフィットしませんね。

3,調整方法の補足

  • ステアリングのチルト(角度)調整に関して
    オススメは一番下の角度です。シートに深く座って両肩がシートから離れない様にしてから肩を基準に、ステアリングの上端までの距離と下端までの距離がだいたい同じくらいの方が操縦しやすいからです。ただし、メーターがステアリングで隠れてしまっては意味が無いので、一番下から徐々に角度を上げて調整しています。
  • ステアリングのテレスコピック(前奥)調整に関して
    この調整機構があるクルマでのオススメは若干窮屈さを感じる程度の位置です。右手または左手でステアリングの対角を持ったときに、肩がシートから離れずに肘が110度くらいに曲がる位置であると操作性が良くなると思います。
  • シートの高さ調整に関して
    一番高い位置にすると頭が天井に着く、あるいは骨盤が後傾したようになるので、腰を痛めます。その逆で一番低くすると腰骨はS字に近くなり腰は痛めにくいと思いますが、平均身長の方では前方が見えません。車両感覚にも関わることですが、ボンネットやボディの両角(フェンダー)が見渡せる高さになるように、自分の場合は一番下の位置から少しずつ上げて調整しています。
  • ルームミラーの調整に関して ↓

車の取扱説明書にはたいてい記載があると思いますが、このルームミラーの付け根位置を調整していない車両をよく見かけました。安全運転の為には目から入ってくる情報量を減らしたくないので、なるべく視界の邪魔にならない高さに調整しておくことをオススメします。

4,手っ取り早く運転に適したドライビングポジションを知る方法

  • シート高さを調整
  • シートの前後位置を調整
  • シートの背もたれ角度を調整

これらは理解したつもりでも、プロから見ればまだまだ詰めが甘いと言われてしまいます。(言われたことあります)

○疑問の解消法は2通り
  1. 自動車メーカーやJAFなどが開催している講習会に参加してみる。
  2. カー用品店で「フルバケットシート」に試座してみる。
○講習会の開催例

マツダ ドライビングアカデミー

JAF 各種講習会(一般・シニア・エコetc)

少し参加をためらうかもしれませんが、ドライビングポジションのレクチャーの他にも、「走る・曲がる・止まる(停まる)」など、運転操作の基本や運転の癖も客観的に評価してくれます!他人に見てもらう事ってなかなか無い機会かもしれないので参加すると面白いですよ。
ですが、最近ではYouTubeでも情報は溢れていますので予習だけでもオススメします。

○運転のしやすさに特化したシート

それが「フルバケットシート」になります。(すみません単体の写真がありません)
なぜならほとんどが人間工学に則って運転のしやすさを追求した形状をしているからです。

そして、前述の調整項目でいえば、下記の4項目があらかじめ最適な物となるように製作されているので、他人の説明よりも体感で乗車姿勢を覚えることができるからです。

  1. シートの高さを調整
  2. シートに深く座る
  3. シートの前後位置を調整
  4. シートの背もたれ角度を調整
  5. ステアリングの調整
  6. ヘッドレストの高さを調整
  7. シートベルトの位置調整
  8. ルーム/ドア ミラーの調整

試座する際はレカロ社の「RS-G」やブリッド社の「ZETA」が体感しやすいと思います。
試座だけならタダです!

それぞれ「販売店情報」や「マイスターショップ」から取扱店を検索できます。

5,実際に調整して感じる事

自分はフルバケットシートで運転していた距離の方が長いので、自然と純正シートでも同じような角度になるように調整しています。恐らく推奨されているドライビングポジションに調整しても大体の方はあまり良くなった体感は無いかもしれません。

なぜそう思うかというと、交差点の先頭で信号待ちをしているときに、右からくる左折車のドライバーをよく見てみてください。結構体が傾いて見えると思います。要は肩がシートから離れているのです。

この運転姿勢が印象深かったのですが、車を走らせて曲がるときに上体が動かない姿勢になるようなシート調整になっていなければ体のどこかに負荷がかかってしまいます。

  • シートに深く座る⇒顎を引いて背中にも体重を乗せてシートと密着させる⇒そのためにはフットレストをしっかり使う
  • カーブなどで曲がるとき⇒シートから肩が離れない様にする⇒そのためにはステアリング操作時に回しながら押したり引いたりする

といった例のように運転動作と運転姿勢、ドライバーの体格、シートの調整範囲をうまくバランスさせないと本当に適したドライビングポジションは見つからないと思います。

自分の場合はフットレストに足を乗せると左ひざとインパネの隙間は指2本分くらいです。

そのくらい窮屈そうに座っても1日に1,000km以上走って体が痛くなったことはありません。

1回でベストポジションは決まらないかもしれませんので、何度か調整を試してみてください。

6,最後に

ドライビングポジションを見直すと車の運転が上手くなる(結果的に正しい運転が安全に繋がる)

欲しい車、乗りたい車は人それぞれ、体格も人それぞれですので、ドライビングポジションはいろいろな方の意見を参考にして、是非ご自身に合った形を見つけてください。

みんなで 楽しく・永く・カッコいい ドライバーを目指しましょう!

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