寒い時期になると、気になるクルマの暖機。
でも、最近のクルマにはもう暖機運転なんて不要なんです。(取説にも暖機は書いていない…)
ただし、愛車のコンディションを維持していきたい!という方には
「暖機」をオススメします。それも【暖機走行】(ウォームアップ)です。
と、いうことで!
自車がオーバークール症状で故障したのを機に、2021年12月から2022年3月までの期間で、クルマ通勤時間を利用して自車の水温警告灯の消灯時間を調べてみました。
寒くなくてもたまにしかクルマに乗らず、久しぶりにエンジンをかけるとき。
エンジン関係の故障は出費がデカいけど何を気を付ければいいか分からない。
という方や、「あれ?故障している?かも…」と気になる方に向けて【暖機走行】の方法や例を紹介します。普段の運転を見直す機会になれば幸甚です。
【暖機走行】とは
一言でいえば、早朝のエンジン始動時などで冷えている部品や機械を暖めながら走り始めることです。
簡単に説明すると、クルマはエンジンで燃料を燃やしてタイヤが回転するまでの過程で、様々な動作を担う多数の部品で構成されています。人に置き換えると、寝起きにすぐ100mダッシュができないように、エンジンやそれ以外の部品もある程度の準備運動をしてあげないと、長い期間で見た場合にクルマの消耗度は変わってきます。
ではどうするのかというと、繰り返しになりますが、部品や機械を暖めながら走り始めることです。
なぜ暖機運転ではなく暖機走行なのか
下図は、約4か月間の暖機時間を簡潔にまとめたものです。
※一般的に暖まり難いとされるディーゼルエンジンの結果であり、あくまでも参考値になります。
※ここで表している暖機時間(分)は、水温警告灯の消灯タイミング(水温50℃くらいで消灯)を計っています。水温計が針の表示方法のクルマでは、針が動き始めるくらいのタイミングと思われます。

オーバークールの修理を経て、ほぼエンジン周りの部品が新品になった際に、エンジン始動後に停車したまま暖機運転をして、水温警告灯の消灯で暖機終了とした場合では17分も費やしました。


そして、同じような外気温時に【暖機走行】を行った場合、約4分で水温警告灯は消灯し、その差は10分以上で暖機運転には思っていた以上に無駄な時間がありました。
なぜこんなにも差が出るのかというと、最近のクルマはエンジン始動後のコンピュータ制御が優秀で、以前に比べて環境保護の観点からもクルマが短時間で暖まりやすく、無駄なアイドリングを避けてすぐに走り始めても壊れ難いように設計されているからです。
注意喚起:【暖機走行】時間が5分以上かかるような状態(特に冬季)が仮に見つかるようでしたら、もしかしたらオーバークールの予兆かもしれません。
具体的な【暖機走行】方法

方法は至ってシンプルです。
- エンジン始動
- メーターやナビ画面のオープニング表示が終わる
- (初期のアイドリングでエンジン回転数が上がっている状態なら更に1,2分ほど回転数が落ち着くまで待ってみる)
- 安全確認後にゆっくり発進
- 水温警告灯青が消灯するまで”急”が付く操作を控える
(エンジン回転数で言えば2,000回転以下程度) - クルマが発する音や振動がマイルドになったら徐々に普段通りに運転する。
※自身の経験上、暖機走行中でも制限速度を意識した運転であれば、クルマに負荷がかかっていると感じることはありませんでした。
場合によっては、高速道路で仮眠休憩後にクルマが冷えてしまうこともあるかと思いますが、それでも時速90km程度なら大抵のクルマはエンジン回転数は2,000回転を超えないと思います。
【暖機走行】でクルマと上手に向き合う
毎回のエンジン始動後からクルマを労わった運転をしていると、金属部品やゴム部品へ過度のストレスを与えにくく、燃費悪化の要因となるオイルの劣化も緩やかになったり、各種消耗品の寿命もある程度は延ばせると思います。
また安全面においても、よく聞く出発後の数分間に事故に遭いやすいとされる状況では、落ち着いた余裕のある【暖機走行】中であれば、事故被害を避けられるかもしれません。
ただ単にクルマを運転するだけでも、実はいろいろな原理・原則が存在しますが、気軽に誰でも運転できるように進歩した最近のクルマでは、あまり気にしない方も多いでしょう…。
ですが、せっかく気に入ったクルマを所有して、それが人生に彩を与えてくれるクルマなのだとしたら、なるべくなら良い状態で永く乗っていたいですよね。
皆さんも【暖機走行】を意識してみてはいかがでしょうか!
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